2010年8月20日金曜日

弓道用語集


弓道用語集
  1. 1.必須編
-------あ行-------
足踏み……射法八節の一番目で、両足を踏み開いて土台をつくる動作。一足の足踏み、二足の足踏みがあるが、同好会内では一足の足踏みを指導している。
中り(あたり)……矢が的を射抜くこと。的のどこに当たってもよい。
安土(あづち)……的を置くところ。土でできていて、適度な湿りが必要。
後ろ……的に向かって左側のこと。射手にとっての後ろ側である。反対に右側は前という。
打起し……八節の四番目。弓を持ち上げる動作。
上押し……弓を押すときの押し方。通常は、「中押し」が良い。
円相……弓構えや打起しのときの、両腕の姿。大木を抱くような気持ちで両腕を構える。
大前(おおまえ)……その射場における一番前の的。もしくはそれに向かって弓を引く人。
大後(おち)……大前の反対。一番後ろの的、もしくはそれに向かって弓を引く人。
------か行------
会(かい)……八節の六番目。引き分けの後、外見上は止まっている状態。八節の中で射手の精神が最も試される箇所。
皆中(かいちゅう)……持っていた矢を全て的中させること。相当の精神力が必要。
かけ……?(ゆがけ)の略称。妻手(めて)につけて使う。水に弱いので、取り扱い注意。
弓道……大変奥深い武道。難しいが、面白い。
競射……決まった本数だけ矢を放ち、的中数を競うこと。
ギリ粉……松脂などを煮詰めてすりつぶした黄色い粉で、滑り止めとして?につける。
口割(くちわり)……会で、矢が唇の線と重なること。きれいに引けているかどうかの指標のひとつ。
虎口(ここう)……親指と人差し指の間のこと。弓を押すときに使う一番大切な場所。
ゴム弓……矢番えの前段階で、主に離れの練習に用いる。基礎練習用具としてもよく用いられる。
------さ行------
坐射(ざしゃ)……審査などで用いられる作法。これに対し普段の練習の作法は立射(りっしゃ)という。
三重十文字……両足、両の腰骨、両肩を結ぶ線が互いに平行で、なおかつそれらが体の中心線と直交すること。非常に重要だが崩れやすい。
残身(残心)……八節の最後。射のまとめ、締めくくりであり、射の良否が顕れる。また次につなげる反省の場でもある。
したがけ……?の下につける布。まめに取り替えること。
射位(しゃい)……射手が弓を引く位置。道場内で決まっていて、射手は射位の線が体の中心となるように立たなくてはならない。
射形……弓を引くときのフォームのこと。しばしば矢の行き先を決定する要因となる。
射法八節……弓を引くときの作法を八段階に分けたもの。基本中の基本なので、最初に覚えよう。
素引き(すびき)……矢を番えずに弓を引くこと。準備運動&基礎練習。弓が傷むので、決して離してはいけない。
正射必中……正しい射をすればかならず的に矢が当たるという弓道の最高目標の一つ。
      ただし逆に、矢が的に当たったからといって正しい射をしたとは言えない。
------た行------
大三(だいさん)……押大目引三分一(おしだいもくひけさんぶいち)の略。引分けの途中これをとる。大変重要な箇所である。
段位……全日本弓道連盟加盟者が審査を受けて、合格するとくれる。
角見(つのみ)……弓手手の内の親指の付け根。弓道で、最も技が必要とされる部分。
弦(つる)……弓に張るひものこと。「げん」と読まない。行射中たまに切れる。
弦輪……弦を弓に掛けるために作る輪のこと。上下の区別がちゃんとある。自分で作れるようになろう。
手の内……弓手の手の内、妻手の手の内があるが、通常は弓手手の内を指す。弓を押す力を効率よく弓に
伝え、その性能を引き出すためにこれを整える。非常に難しい。
胴造り……八節の二番目。足踏みを基礎として、胴体を正しく安定な位置に置く動作。外見上は目立たな
いが、非常に重要である。
執弓(とりゆみ)の姿勢……弓を弓手に持ち、矢を妻手に持った姿勢。射法八節と並んで、弓道における
基本的姿勢である。
------な行------
中押し……弓の押し方の一つ。通常は、これが最も良いとされる。
中仕掛け(なかじかけ)……弦の中央部、矢を番えるところ。すこし太くしてある。自分でつくれるよう
になろう。
並寸(なみすん)……普通のサイズの弓。身長170cm以上の人は、これより少し大きい「伸寸」の弓を
使いましょう。
伸寸(のびすん)……並寸よりすこし大きめの弓。二寸伸び、四寸伸びなどがある。背の高い人はこれを
使う。
------は行------
掃き矢(はきや)……安土まで届かず、地面を滑走した矢。掃き矢が跳ね返って的に当たることが
稀にありこれを掃き中りというが、的中とはみなされない。
筈(はず)……矢についている、矢を弦に番えるための部分。たまに割れたり、外れたりする。
筈零れ(はずこぼれ)……いったん番えた矢が、行射中に弦から外れてしまうこと。その矢は的から外した矢とみなされる。
離れ……八節の中の七番目。矢を放つ動作。「離す」という意識的なものではなく、自然な「離れ」こそが理想。
膕(ひかがみ)……膝の裏筋のこと。足踏み及び胴造りでしっかりと伸ばしておく。
引分け……八節の五番目。実際に弓を引く動作。途中、大三をとる。
筆粉(ふでこ)……ギリ粉に対し、左手側の滑り止め。弓の握り皮につける。灰色。
ベタ押し……上押しの逆。左手で弓を握ってしまっている手の内のこと。よくない。
頬付け……会で矢が頬につくこと。正しく引けているという指標の一つ。
------ま行------
巻藁(まきわら)……藁を束ねたもの。これに向かって矢を放って練習する。
巻藁矢……巻藁用の矢。羽が付いていないものもある。危険なので決して的前で用いてはならない。
的張り……たくさん矢が中ってぼろぼろになった的の、的紙を張り替えること。
的前……的に向かって矢を放つこと。ここに辿り着くまでに、徒手練習、素引き、ゴム弓、
そして巻藁練習と、長い道のりがある。がんばろう。
胸弦(むなづる)……会において、弦が胸にあたること。正しく引けているという指標の一つ。
妻手(めて)……右腕のこと。馬手(めて)、勝手(かって)とも言う。
もたれ……体が弓にはまりこんでしまい、離せなくなる様子。
物見……的を見る動作。
------や行------
矢数……射た矢の本数。たくさん射ることを、「矢数をかける」という。
矢尺(やじゃく)……矢自体の長さ。矢束との違いに注意。矢束+10cmの矢尺のある矢でないと、
危険なので引いてはいけない。
矢束(やづか)……自分が実際に引き込んでいる矢の長さ。足踏みの幅の目安となる。
矢筒(やづつ)……矢を持ち運ぶための入れ物。あまりたくさん入れすぎると、矢が傷む。
矢取り……安土の方へ飛んで行った矢を回収すること。またその人。安全確認が非常に重要である。
揖(ゆう)……ごく浅い礼。いろいろな場面で使われる。上半身を10cm傾ける。
弓構え(ゆがまえ)……八節の三番目。取り懸け、手の内を整え、物見を定める。
弓倒し(ゆだおし)……残身の後、元の姿勢に戻るために弓を倒す動作。物見を返す前に行う。
緩み……離れの瞬間、せっかく引いたのにいったん小さくなってしまっていること。
------ら行------
立射(りっしゃ)……坐射に対し、立ったままで行射する作法。通常の練習はこれで行う。
    Ⅱ、上級編
息合い(いきあい)……弓道で用いる息遣い。
板付(いたつき)……矢の先のこと。矢尻とも言う。
末弭(うらはず)……弓の上の、弦を掛けるところ。逆側を「本弭(もとはず)」という。
遠近競射(えんきんきょうしゃ)……試合などにおいて用いられる順位決定法の一つ。一つの的を用いて、
複数の射手が矢を射て、的の中心に近い順に順位を決定する。
遠的(えんてき)……射位から的までが60mの競技方式。これに対し、通常の28mの形式を
「近的(きんてき)」という。
押手かけ……左手手の内が痛いときにつける、左手用の?。親指だけを保護する。
乙矢(おとや)……矢の種類。甲矢(はや)と二本一組でセット。甲矢とは、羽のついて
いる向きが反対なので見分けることができる。
介添え(かいぞえ)……射手の後見役。一切の面倒を見る。かなり大変。試合や射礼など
で重要な役割を果たす。
替え弦(かえづる)……弦切れなどに備えて作っておくスペアの弦。弦巻で携帯する。
審査や試合の時に役に立つ。
下進上退(かしんじょうたい)……弓道における作法。前に進んだり立ち上がったりするときは下座の足
(左足)から、反対に退くときは上座の足(右足)から行動する。
数矢(かずや)……みんなで使う、安価な矢。同好会では備品矢がこれにあたる。
空筈(からはず)……離れの瞬間筈零れして、弦だけ離してしまうこと。結構こわい。
看的(かんてき)……矢が的中したかどうかを確認すること。またその人。
跪座(きざ)……爪先を立てて正座した姿勢。坐射等で多用される。
基本体……弓道における作法の基礎となる計12個の姿勢・動作。これを元に体配は構成されている。
級位……段位の下。一番下が5級で、1級の上が初段。全日本弓道連盟加盟者が審査を受けるともらえる。
弓力……弓の強さ。「強い、弱い」で表現し、「重い、軽い」とは言わない。
行射……射を行うこと。行射する、という。
金的(きんてき)……お祝い事などに使う、小型で金色の的紙が張ってある的。
候串(ごうぐし)……的を安土に固定させるために用いる串。竹製のもの、鉄製のものなどがある。使わ
れないことも多い。
腰板……男子用の袴についている、腰のところの板。これを意識していると、姿勢が良くなる。
五重十文字……会の構成に必要な、5つの直交条件。①弓と矢②弓と押手の手の内③?の親指と弦④両肩
の線と背骨⑤首筋と矢 
失(しつ)……射礼時に筈零れ、弦切れ等が起こってしまうこと。失には個々にその処理の作法がある。
称号……練士、教士、範士の3つがある。5段以上の人が審査を受けて合格すると練士の称号を授けられ、
練士が審査を受けて合格すると教士の称号がもらえる。範士は、教士の中から推薦で選ばれる。
束中(そくちゅう)……皆中とほぼ同義。矢が2本中2本的に中ること。逆を束外(そくがい)という。
体配(たいはい)……弓道における作法のこと。基本体を基礎として成り立っている。
付(つけ)……ねらいのこと。右目で的をねらう。最初は後ろから人に見てもらおう。
爪起こし……?の内部で親指をそらせること。離れがスムーズになるが、最初のうちはなかなかできない。
爪揃え(つまぞろえ)……弓手手の内で、中指、薬指、小指の指先を揃えること。手の内の働きが正しく
なり、見目も良い。
弦調べ……胴造りにおいて、筈を中心として上下に視線だけを移動させる動作。このまま箆調べに移行。箆調べと同様、弦の状態の確認というよりは、射手の心を落ち着ける意味合いが大きい。
弦音(つるね)……矢を放ったときの音。音色で射の良否が分かる。
弦巻……替え弦等を携帯するためのもの。弦が折れないようにこれに巻きつけておく。
籐……弓に巻いてある、薄い木。編んだりしたものもある。
胴……胴造りにおける胴体の位置の種類。中胴の他に、反る胴、屈む胴、懸かる胴、退く胴がある。
いずれも練達者が用いる応用的なものであるが、近的では中胴が重要。
道宝(どうほう)……中仕掛けを作る際、弦を捻りながら打ちつけて固めるための道具。
執矢(とりや)……一手の矢(甲矢と乙矢のセット)を同時に持って弓を引く引き方。
握り皮(にぎりかわ)……弓に巻いてある握りのところの皮。鹿皮製。ここを持って、弓を引く。
箆撓い(のじない)……?のひねりが強すぎて、会で矢がしなっている様子。矢飛びが悪くなる。
箆調べ(のしらべ)……弦調べのあと、顔を的方向に向けつつ目線を矢の上に走らせること。弦調べ同様、
射手の気持ちを落ち着かせる意味合いが強い。
把(は)……握りの位置における、弓と弦との幅。幅が広いことを「高い」、狭いことを「低い」という。
高すぎても低すぎても良くない。
羽引き(はびき)……矢番え後、少しだけ弓を引いておくこと。羽が痛まないですむ。
早気(はやけ)……会での伸び合いがなく、引いたとたんすぐに離してしまう癖。治すのが難しい。
羽分け(はわけ)……放った矢の半分が的に中ること。
一手(ひとて)……甲矢(はや)、乙矢(おとや)の1セットのこと。2セットは四つ矢という。
帽子……?の、親指部分にあたる堅いところ。
棒矢……羽の着いてない巻藁矢のこと。もしくは単に巻藁矢のこと。
本座(ほんざ)……射位に入る前の待機場所。道場内で決まっている。
麻天鼠(まぐすね)……切れてしまった弦などをわらじ状に編んだもの。弦には天鼠(くすね)という
接着材があり、このまぐすねでそれをこすって溶かすことで、弦を強くする。
的紙……的に貼る紙。いろいろな模様がある。同好会で用いているのは「霞的」。
的矢……的前で用いる矢。近的用、遠的用がある。巻藁矢とは、板付も少し違う。
的枠……的の枠部分。木でできており、ちゃんと上下がある。
三つ?(みつがけ)……三本指の?。最も一般的。他に四つ?、諸?(もろがけ)がある。
本弭(もとはず)……末弭(うらはず)の反対側の、弦を掛けるところ。胴造り、弓構えにおいて、ここ
を左膝頭に置く。
矢摺り籐(やずりどう)……握り皮のすぐ上の籐。手の内が上手くないと、ここをよく痛める。
矢立(やたて)……練習中に矢を出しておく入れ物。入れすぎると、羽が痛む。
矢飛び……飛んでいく矢の勢い。
矢道(やみち)……射場と安土の間の、芝の部分。矢が飛んでいく空間。
矢渡し……審査や試合の前などで、その集団の最高段位保有者が開会前にする儀式。かっこいい。
弓返り(ゆがえり)……弓手手の内が上手いと、離れた後に自然と弦が弓手の裏側に回る。ただし無理に
           返そうとしたり、離れの瞬間手の内を緩めるのはよくない。
弓立(ゆたて)……練習中、弓を置いておくところ。
弓袋……弓を入れておく袋。防護用。

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