2010年8月20日金曜日

射法訓

抑々弓道の修練は、動揺常なき心身を以て押引自在の活力を有する弓箭を使用し、静止不動の的を射貫くにありて、その行事たるや、外頗る簡易なるが如きも其 の包蔵する処、心行想の三界に亘り相関連して機微の間に千種万態の変化を生じ、容易に正鵠を捕捉するを得ず、朝に獲て夕に失い、之を的に求むれば的は不動 にして不惑、之を弓箭に求むれば弓箭は無心にして無邪なり、唯々之を己に省み、心を正し身を正しうして一念正気を養い、正技を錬り、至誠を竭して修業に邁 進するの一途あるのみ、正技とは弓を射ずして骨を射ること最も肝要なり 心を総体の中央に置き 而して弓手三分の二弦を推し 妻手三分の一弓を引き 而して心を納む是和合なり 然る後胸の中筋に従い宜しく左右に分かるる如くこれを離つべし
書に曰く鉄石相剋して火の出ずる事急なり、即ち金体白色 西半月の位なり


この射法訓は吉見順正氏が竹林派の伝書「四巻の書」の大事な部分をまとめて作ったものらしい。

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