2010年8月20日金曜日

最高目標「真・善・美」

真
弓における「真」とは「真の弓は偽らない」ことであって、矢は正しく狙った的に真っ直ぐに飛ぶから的中にも 偽りはない。偽りのない射はどのようにあるべきか、という思いを持つ事も弓における真実の探求の一面であり、現在弓を射ているその大部分は「真実の探求」 であるともいえる。弓における真とは、弓の冴え・弦音・的中により立証される。すなわち、一射ごとにこの「真」をもとめてゆくのが弓道(求道)の「みち」 である。
善
ここで「善」というのは、主として弓道の倫理性を指す。弓道の倫理、すなわち礼とか「不争」とかは静かな心境のことであり、心的態度が「平常心」を失わないことが重要である。
弓によって互いに親しみ、弓によって協同し、和平であること。心的にも平静を失わない境地が必要な条件であり現代の弓道の特性である。
美
弓における美とは何かといえば、前にいった「真なるもの」は美しく、「善なるもの」も美しい。これを具体的 に表現しようとする射礼もその一つである。日本の弓は弓自体が最も美しい弓だといえるが、その荘厳性と人間の進退周還、それに静かな心的態度がリズミカル に動くことは、われわれの美的感覚を刺激することが大きい。

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