2010年8月20日金曜日

礼記射義

《射義》

1 射義: 古者諸侯之射也,必先行燕禮;卿、大夫、士之射也,必先行鄉飲酒之禮。故燕禮者,所以明君臣之義也;鄉飲酒之禮者,所以明長幼之序也。

2 射義: 故射者,進退周還必中禮,內志正,外體直,然後持弓矢審固;持弓矢審固,然後可以言中,此可以觀德行矣。

3 射義: 其節:天子以《騶虞》為節;諸侯以《貍首》為節;卿大夫以《采蘋》為節;士以《采繁》為節。《騶虞》者,樂官備也,《貍首》者,樂會時也;《采蘋》者,樂 循法也;《采繁》者,樂不失職也。是故天子以備官為節;諸侯以時會天子為節;卿大夫以循法為節;士以不失職為節。故明乎其節之志,以不失其事,則功成而德 行立,德行立則無暴亂之禍矣。功成則國安。故曰:射者,所以觀盛德也。

4 射義: 是故古者天子以射選諸侯、卿、大夫、士。射者,男子之事也,因而飾之以禮樂也。故事之盡禮樂,而可數為,以立德行者,莫若射,故聖王務焉。

5 射義: 是故古者天子之制,諸侯歲獻貢士於天子,天子試之於射宮。其容體比於禮,其節比於樂,而中多者,得與於祭。其容體不比於禮,其節不比於樂,而中少者,不得 與於祭。數與於祭而君有慶;數不與於祭而君有讓。數有慶而益地;數有讓而削地。故曰:射者,射為諸侯也。是以諸侯君臣盡志於射,以習禮樂。夫君臣習禮樂而 以流亡者,未之有也。

6 射義: 故《詩》曰:“曾孫侯氏,四正具舉;大夫君子,凡以庶士,小大莫處,御于君所,以燕以射,則燕則譽。”言君臣相與盡志於射,以習禮樂,則安則譽也。是以天子制之,而諸侯務焉。此天子之所以養諸侯,而兵不用,諸侯自為正之具也。

7 射義: 孔子射於矍相之圃,蓋觀者如堵墻。射至於司馬,使子路執弓矢,出延射曰:“賁軍之將,亡國之大夫,與為人後者不入,其餘皆入。”蓋去者半,入者半。又使公 罔之裘、序點,揚觶而語,公罔之裘揚觶而語曰:“幼壯孝弟,耆耋好禮,不從流俗,修身以俟死,者不?在此位也。”蓋去者半,處者半。序點又揚觶而語曰: “好學不倦,好禮不變,旄期稱道不亂,者不?在此位也。”蓋僅有存者。

8 射義: 射之為言者繹也,或曰舍也。繹者,各繹己之志也。故心平體正,持弓矢審固;持弓矢審固,則射中矣。故曰:為人父者,以為父鵠;為人子者,以為子鵠;為人君 者,以為君鵠;為人臣者,以為臣鵠。故射者各射己之鵠。故天子之大射謂之射侯;射侯者,射為諸侯也。射中則得為諸侯;射不中則不得為諸侯。

9 射義: 天子將祭,必先習射於澤。澤者,所以擇士也。已射於澤,而後射於射宮。射中者得與於祭;不中者不得與於祭。不得與於祭者有讓,削以地;得與於祭者有慶,益以地。進爵絀地是也。

10 射義: 故男子生,桑弧蓬矢六,以射天地四方。天地四方者,男子之所有事也。故必先有志於其所有事,然後敢用穀也。飯食之謂也。

11 射義: 射者,仁之道也。射求正諸己,己正然後發,發而不中,則不怨勝己者,反求諸己而已矣。孔子曰:“君子無所爭,必也射乎!揖讓而升,下而飲,其爭也君子。”

12 射義: 孔子曰:“射者何以射?何以聽?循聲而發,發而不失正鵠者,其唯賢者乎!若夫不肖之人,則彼將安能以中?”

13 射義: 《詩》云:“發彼有的,以祈爾爵。”祈,求也;求中以辭爵也。酒者,所以養老也,所以養病也;求中以辭爵者,辭養也。

「礼記」射義編 の遺訓

「射は進退周還(しゅうせん)必ず礼に中(あた)り、内志正しく、外体直く して、
然(しか)る後に弓矢を持(と)ること審固なり。
弓矢を持ること審固にして、然(しか)る後に以って中(あた)と言うべし 。
これ以って徳行を観るべし。
射は仁の道なり。射は正しきを己に求む。
己正しくして而して後発す。
発して中らざるときは、則ち己に勝つものを怨みず。
反ってこれを己に求むるのみ。」

と示している。
これを見ると、射行は、

1)心志の安正、
2)身体の安定、
3)弓技の審固、との三点を眼目とし、

これを修練することによって「仁」「義」「礼」「智」「信」の徳行が体得さ れる。
矢を発して中(あた)らなければ他を怨むようなことなく、反ってこれを己に 求めて
よく反省せよ、と教示してあって、弓道は儒教を基礎とした道徳の修養道であ ると見
做(な)していることが明白である。

射者仁道(しゃはじんのみち)とか、射裡観徳(しゃりかんとく)とか審固満 分とか
、破邪顕正(はじゃけんしょう)とかいう名句は上にあげた「礼記」の銘文に 基因し
たところのもので、今日わが弓道界においてもこの信念が原動力となっている ことを
忘れてはならない。

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